光コラボの契約トラブルについて

午前1:

・座学「コンテンツとプラットフォームについて」

・座学「ソフトウェアのサポート期限について」

 

午後1:

・相談「印刷ができなくなった」

→使用するプリンターが間違っていた。変更方法を案内。

・はがき作家「用紙設定、宛名入力」

 

午後2:

・相談「支出の集計、良い方法はないか」

→ExcelのSumifs関数を使い、元帳から年・月・勘定科目ごとの金額合計を求める方法を案内

・Excel「データの入力規則」

 

 

午後3(訪問):

・相談「FAX付き複合機を購入したので設置・設定してほしい。」

→現地にて型番確認するとFAX機能のないもの。

 購入店に確認し、返品処理をご自身で行ってもらう。

・相談「先日電話で『安くなる』と言われてネットの契約を変更した。これでよかったか?」

→契約して1か月近くなるが、契約書が届かないためプラン詳細確認できず。

 電話番号1つ、セッション1つで良いのに法人向けのビジネスホンプランっぽい。

 元々はbiglobeの個人向けプラン。おそらくメリット何一つなし。

 元の契約に戻すことをお勧め。

→相談「会社のロゴを作ってほしい」

 本人がお持ちの自社イメージ・経営理念聞き出し。

 そこから持ち帰り検討・作成の予定。

 

 

 

昨日・今日と、ネット契約の相談が続いています。

 

いずれもある日突然電話で知らない会社から「安くなる」と言われ契約しちゃったパターン。

こちらがどんな契約をしているかもわからない状態で断言する時点で誠実さ0ですね。

すでに御社に契約しているかもしれないのに。

現時点での主要な手口は大体こんな感じ。

  • 今より安くなる
  • 今より早くなる
  • あまり使っていないなら変えたほうが安くなる

電話をかけてくる業者はいわゆる「光コラボ」の事業者で、

実際に実態のある業者なのがたちが悪い点です。

「光コラボ」とは

もともと、個人宅でインターネットを使うには、

回線事業者とプロバイダーの2社に契約をする必要があります。

 

回線事業者とは実際の回線を家まで引き込んでくる会社のことで、

NTT西日本やケーブルテレビ、電力会社などが該当します。

 

それに対し「プロバイダー」は、
インターネットに技術的に必要な「IPアドレス」を貸し出してくれる会社です。

 

 

 

車で例えれば、道路と自動車を用意するのが「回線事業者」で、

プロバイダーはナンバーを発行する運輸局のようなものです。

 

中国電力などの電力会社やケーブルテレビは、
回線事業者とプロバイダーを自前で運営することができます。。

 

ところがNTTは民営化した時に決められた法律で、
電信・電話以外の商売しちゃだめだよと定められてしまいました。

 

 

 

そのため、NTT東西が提供する光回線を使ってインターネットを利用するためには、

利用者自ら回線とは別にプロバイダーに契約をする手間がありました。

 

今回は割愛しますが、これをかいくぐるために
NTTコミュニケーションズという子会社作って
プロバイダー事業してるっていう別の話もあります。

 

 

 

これが2015年に変化します。

NTTが光回線をプロバイダーに「卸して」契約させることができるようになりました。

 

プロバイダーが窓口になって回線の契約と問い合わせを受けます。

 

これが「光コラボ」です。

NTT西日本Webサイトより引用
NTT西日本Webサイトより引用

「光コラボ」のメリット・デメリットは?

これに参入した業者は非常に多く、NTT西日本のWebサイトで確認すると、

8月5日現在で3桁に及ぼうかという数の業者が参加しています。

(あまりに多いので数えてません。3桁超えてるかも。)

 

なぜこんなに多いのかというと、それだけメリットがあるわけで。

 

NTTとしては

  • 寝てても回線契約してくれて、金が入ってくる
  • 面倒なサポートはプロバイダーに丸投げできる

卸先としては

  • 天下のNTTの名前騙って商売できる
  • 自社の商品を抱きかかえで販売できる

顧客としては

  • 2社契約していたのが1社でよくなる
  • 請求書・領収書が一つにまとめられる

といったメリットがあげられます。

 

 

 

ちなみに、プロバイダーを変えたところで速度・料金はほとんど変わりません
回線自体を変える(ADSLや電話回線から光回線、など)なら話は別ですが。

安くなるのはその分サポートや明細の印刷・郵送がなくなるという仕組みです。

 

で、特にトラブルになるのは「面倒見なくていい」と「卸先の抱きかかえ商法」です。

 

 

 

卸先の中にはIT企業ではなく、専門知識がないこともしばしば。

 

昨日訪問したお宅も「設定は一切不要」と言われて契約したそうです。

プロバイダーを変更したら必ず接続設定の変更が必要です。)

もしプロバイダーからもらっていたメールアドレス使っていたら、そちらの設定・告知も必要です。

  

結果、 私に相談されるまで使えない状態で2か月ほど料金を支払いされていました。

 

 

 

卸先に電話で当時の録音を確認してもらったところ、

「あぁ、設定が必要とは言っていませんね」と当たり前のように返されました。

う~んこの。。。

 

 

 

もう一つの問題は抱きかかえで謎のオプションを契約させられるということ。

 

実際、昨日の方は「まとめて安心パック」なる謎のオプションを契約されていました。

なんでも24時間365日、電話による健康相談に応じてくれるサービスなどのようです。

(要事前会員登録・ログイン)

 

 

 

急におなか痛くなった時、「そうだ!プロバイダーに相談しよう!」ってなりますか(笑)

実際の契約書。契約したのを忘れたころになって送られてくる。
実際の契約書。契約したのを忘れたころになって送られてくる。

これらの問題は今月号の鳥取市報にも注意喚起が出ていましたね。

世界の情勢不安・円安などの影響か、この手のえぐい商売(一応詐欺ではない)増えてきましたね。

鳥取市報8月号より
鳥取市報8月号より

【結論】光コラボっていいの?

卸先の企業の情報を調べると、

光コラボ以外に太陽子発電・電気の自由化・介護事業あたりの代理店をしている会社が多く、

正直私個人は「金が入れば何でもいい」と考えている印象を持ちました。

 

加えて消費者側も「使えればなんでもいい、安ければなおいい、よぉわからんし」と、

回線事業者とプロバイダーの仕組み・違いすら理解しようとせず、

結果せっせと貴重なお金を払ってしまっているのが現状です。

 

パソコン教室を経営しヘビーユーザーである私より通信料多い家庭、足るほど見てきました。

 

 

 

コロナ禍で、「光コラボ」というビジネス形態を選択する企業自体を否定はしません。

 

大切なのは月5,000円超の高い料金を払う消費者側が、
わからないものはわからないと、理解しようとする姿勢ですね。

 

「よぉわからんけぇいらん」も賢い選択肢の一つだと思います。

 

 

 

「でも要るしなぁ」ならばしっかりと学び・調べ・考える癖をつけましょう。

そのための手段のひとつがインターネットです。

 

 

 

 

 

【引用元】

光卸(ひかりおろし)・光コラボ(光コラボレーション)とは
(公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会)