脳のキャッシュを勇気をもって捨てよう。

午前1:

・Word「図形の操作」

 

午後1:

・Word「ページ設定、文字・段落書式」

・周辺機器の操作「ゲームパッドの操作」

 

 

 

「何度やってもうまくいかない」と言われ、教室で実演してもらうと解決する現象。

昔からのあるあるなんですが、生徒さんとお話ししているうちに、

この現象が起きる原因が何となくわかってきました。

 

教室で再現しようとするときは、丁寧に手順をたどっていきます。

その結果、本人の正しい記憶にきちんとアクセスし正常な操作ができます。

 

対して自宅で一人でやっているときは、これらの記憶にはアクセスせず、

「確かこうだったよな?」という程度の直近の履歴に基づき、操作してしまいます。

そして本来とは異なる操作を無意識に行ってしまい、問題が発生する流れです。

 

 

 

いかにも人間らしいエピソードに思えるこのパターン。

実はパソコンも同様の間違いを起こすことがあります。

 

最近は少なくなりましたが、ネットでニュースを閲覧しているときに、

「あれ、これ昨日のニュースじゃない?」と思うことが以前は結構ありました。

 

これは、通信料を削減するためにコンピューターが、

「自分が覚えているものはわざわざネットに出てまで情報をとってこない」という機能が原因です。

 

 

 

ここでいう「自分が覚えているもの」は「キャッシュ」と呼ばれ、

「メモリ」と呼ばれる装置に記憶されています。

 

キャッシュから情報を取り出すと、

ネットから取り出すのに比べ労力が低く通信料がかからないのが特徴です。

 

以前はコンピューターの処理能力が低く、

通信料も割高だったため、可能な限りキャッシュから情報を読み込んでいました。

それが最近のコンピュータの高性能化と通信料金の定額化で起きにくくなったという仕組みです。

 

 

 

話を戻すと人間も同様で、

しっかりと脳の奥に記憶している部分から情報を引き出すのと、

よく使うから脳の浅い部分に置いている部分から引き出すのであれば、

後者のほうが労力が少ないのです。

 

この「後者」の情報ですが、常に正しい情報があるわけでなく、

「大体9割方この方法でうまくいく」とか、

「これまでの経験上、すべてうまくいっていた」というレベルなので、

すべての事象に通用するわけではなかったりします。

 

なので正しい操作をするためには、これらの間違ったキャッシュをクリアし、

最新の状態や情報を再度取得する必要があります。

 

そして大人になればなるほど、このキャッシュの量は膨大で正しい確率が高くなるため、

クリアすることに多くの勇気と労力が必要になってきます。

 

 

 

変化のない時代であればキャッシュのクリアは必要ないのでしょうが、

環境の変化が激しいコロナ禍の現代では、記憶のキャッシュのクリア(と更新)は必須ですね。